2012年09月13日

エッジボイスから裏声を出すボイトレの効果と女声

 前回書きましたように、女声を専門としない普通の先生(GID指導経験はある)のところで、いわゆるミックスボイスを使えるようにする練習をしました。
 やっていると段々上達し、「中間の声」というのもなんとなく分かるようになりました。「なるべく小さな声を出す」意味も理解できます。
 ただ、それが日常使う声に反映されたかというと、そうでもありません。
 リップロールなどの力を抜く練習、エッジボイスから小さな裏声を出す練習などをしていると、声の状態は確かに良くなります。なんというか、声が引っかからずにスッと出るようになります。これはこれで、成果と言えます。
 また、当然ながら、歌を歌われる方にとっては、非常に有益な練習でしょう。
 しかし、わたしの目的は歌ではありません。この声を日常会話の声に活かす練習もあるのですが、どうも当初考えていた程有益ではないのではないか、と思えてきました。

 お断りしておきますが、そもそもこの練習は、主としてGIDや女声を必要とする人のためのものではありません。わたしたちにとって合理的でなかったとしても、当たり前の話です。
 また、女声練習のために役立つ要素もあります。
 おそらく、女声が全然できていない、まったくの男声のまま、という人にとっては、この段階がかなり有用なのではないかと思います。そういう人は、半ファルセットやミックスを使って「それっぽい」声を出す技術がまだ全然出来ていないからです。
 しかしわたしの場合、既に自己流で一定のレベルに達していたせいか、この段階の練習をいくらやっても、目覚しい成果は得られませんでした。

 ちなみに、この同じくらいの時期に、ナチュラルに女声を獲得した歌もうまいMtFの知人から、「喉を開く」ということを教わりました。女声というより、単に歌の練習のためのメソッドなのですが、こちらの方がむしろ有効な気がしました。
 彼女に教えられて、わたしはビューティーボイストレーナーという怪しげなグッズを使っていたのですが、別にこれでなくても、口に加えられる筒状のものであれば何でも良いと思います。ただ、このグッズは、声が外にほとんど漏れず、部屋の中で絶叫しても近所迷惑にならない、というメリットがあります。
 大きな声を出すこと自体が狙いではなく、喉を開ける練習をすることで、結果的に高い音でも息漏れしにくい、つまりひっくり返った裏声になりにくくする効果があるようです。
 いずれにせよ、喉の外側の余計な力を抜く、というのが大切です。

 何度も書きますが、この時点でのわたしの問題は、声の絶対的高さというより、良い状態をキープする力、低い方に「底が抜けない」ようにすること、綺麗な女声で息漏れせずに通る声を出すこと、声を出す際の「引っ掛かり」のようなものを取ることでした。
 このうち、「息漏れを防ぐ」という点では、このボイトレも一定の効果があったと思います。現在でも暇があると練習しています。
 しかし、総合的に見ると、かけている労力・費用に見合うほどの成果は、わたしについては得られませんでした。
posted by female-voice at 09:12| 女声の記録

2012年09月12日

ボイトレ、エッジボイス、ミックスボイス

 一色クリニックを受診し、声の周波数的には問題がないこと、そしてボイトレを受けてみたら面白かったことを書きました。
 ボイトレを続けてみよう、と思ったのですが、京都まで通う訳にもいかず、不躾ながら一色クリニックで指導されている(正確には一色クリニックそのものではなく、同じ場所でボイトレも行なっている)先生に、東京近郊で先生を紹介して頂きました。
 この方は一般の歌を歌われる方やアナウンサー・声優を目指す方などの指導を行なっている先生ですが、GID当事者の指導経験もあるとのこと。ともあれ受けてみよう、ということでボイトレを開始しました。

 最初は、リップロール(唇でプルプルという音を出す)で力を抜くこと。ここで口の両脇を軽く指で抑えると、脱力の意味が理解しやすい。そしてエッジボイス。
 このエッジボイスというのは、歌などに興味のないわたしは初めて知ったのですが、映画「呪怨」に出てくるような、喉の奥の方から出す「あ゛あ゛あ゛」みたいな音です。ネットで調べるとエッジボイスにもいくつか種類があるようですが、わたしがやったのは割と低い音で脱力した状態で喉から声を出すものです。ミックスボイス獲得の過程で練習されるようです。
 この状態は声帯が閉じているもので、つまり声帯を閉じる練習、ということです。なぜ声帯を閉じる練習をするかと言えば、裏声に近い領域で声帯を閉じてしっかりした声を出すためです。普通の声は声帯を閉じて出しますが、裏声は声帯が開いた声です。声帯が開いたままだとただの裏声なので、ここで声帯を閉じて声を出せるようにすることで、普通の声と裏声をスムーズにつなげる、ということです。「強い裏声」を出す練習とでも言えばいいのでしょうか。
 普通の人は、声を段々高くしていくと、あるところでケロッと声が裏返って、裏声になります。その間にははっきりと「裏返る」場所がありますし、裏声はまるっきり裏声なので、会話には使えない声です。「強い裏声」という中間状態を作ることで、この間を滑らかにつなげよう、ということです。

 わたしは最初、エッジボイスというもの自体知りませんでしたし、出せと言われてもうまく出せませんでした。
 練習しているうちにエッジボイスは出るようになったので、ここからエッジボイスの感じをなるべく保ったまま、裏声を出す練習をします。
 裏声になれば当然エッジは切れるのですが、エッジボイスの時にある声帯がくっつく感じをなるべくキープしたまま、裏声につなげるのです。
 この時、なるべく小さな声でやります。蚊の鳴くような、限界に小さい声です。小さい声でやると、声がかすれて息漏れになりやすく、声帯がくっついていないとすぐに分かるのです。大きい声でやると、息の勢いでごまかせてしまいます。「とにかく小さい声で」というのが、この先生のやり方でした。これについては、今でも有効だと思っています(大きい声を出す意味もありますが、それはまた別です)。
 小さな声でエッジボイスから裏声につなげる時、声帯を閉じている喉の奥の方の筋肉を感じるように、と言われました。これがなかなか難しいです。普通、もうちょっと外側の強い筋肉を使って喉を締め上げるようにして高い声を出そうとします。この強い筋肉の力は極力抜いて、声帯をくっつける細い筋肉にだけ集中する、ということのようです。
 やっていると、この声自体は少しずつ進歩していったのですが、奥の筋肉の意識というのは、なかなか分かりません。
 それでもこの調子で、半年くらいボイトレを続けました。

 なお、わたしは歌も歌えない素人ですので、上の説明が正確かどうかは分かりません。ボイトレの先生に言われたことを、自分なりに咀嚼したつもりですが、間違っているところがあれば申し訳ございません。
posted by female-voice at 07:57| 女声の記録

2012年09月11日

一色クリニック・京都ボイスセンターでのボイトレ

 さて、一色クリニックでの診察を終え、周波数的には女性の範囲内で、それほど問題がないことが分かりました。
 でも、依然として十分満足できる、というレベルではありません。
 絶対的な声の高さも高いに越したことはないのですが、やはり共鳴腔の使い方がポイントなのでしょう。
 よくあるパターンですが、調子の良い時の声は及第点に達していても、うっかりすると低い声や女性らしくない声が出てしまう、というのが問題です。
 これは本当によくある事例で、MtFの場合、声ができていても低い方の「底」がないんですよね。普通の女性なら「底」があって、それより下には行かないのですが、MtFだと、何かの拍子で「底が抜けて」しまうことがあります。
 また、前にも書きましたが、笑い声や悲鳴などは難しいです。
 それから、身近な人に聞くと、わたしの場合、何かを夢中になって喋っている時に声が低くなることがあるようです。熱中しすぎて声のトーンにまで気が回らない、ということでしょうか。現在では日常生活中にそれほど声自体のことを意識している訳ではないのですが、それでも普段は気をつけている、ということなのでしょう。

 これらを改善するには、輪状甲状軟骨接近術よりもボイトレが大事なのだろう、と思ったところで、たまたま一色クリニック・京都ボイスセンターのボイトレの先生に空き時間があったので、ボイトレを受けてみることにしました。
 前にも書きましたが、わたしはSRS前(喉仏の手術を受ける前)にほんの一二回程度女声ボイトレを受けたことがありますが、ほとんど経験がありません。また、一色クリニックで教えられているのは、別に女声に特化したボイトレではありません。
 でも、ものは試しで受けてみたところ、これが非常に面白かったです。
 ボイトレですから、すぐに効果が出るというものではないのですが、とりあえず色んな声を出すことが楽しかったのです。まずは母音を綺麗に出せることが大事、息が漏れないように、力まず力を抜いて発声する、などのポイントを教えられました。また、リップロール(唇でプルプルという音を出す)が力みを取るのに有効、とのことです。
 このボイトレが面白かったので、続けたいと思ったのですが、何分場所が京都で、当方は東京近郊在住です。
 流石に京都まで通う訳にもいかないので、一回だけで帰ってきました。
 ちなみにこのボイトレの先生は轟先生という女性の方です。人間的にも魅力的な方なので、京都近郊にお住まいの方は、一度相談されても良いかもしれません。
タグ:ボイトレ
posted by female-voice at 07:10| 女声の記録

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