2012年10月20日

声帯ケナコルト注射 術後経過と効果 第1回

 ケナコルト注射は二三ヶ月かけてジワジワ効いてくるものです。術後すぐは別に変わりません。というより、むしろ一時的に(数日間)ガラガラ声になります。
 ケナコルト注射は術後二三日は声を出すのを控えます。
 ささやき声なら大丈夫ですが、ちゃんと声を出すのは極力やめた方が良いようです。それ以前に、喉が痛くて、声を出したくないです。
 痛いと言っても何もしていなければ何ともなく、声を出そうとすると鈍く痛む程度です。丁度風邪を引いて喉が腫れている時のような感じです。
 病院では「二三日発声は控えてもらうけれど、仕事で話す程度なら大丈夫」と言っていましたが、正直、対人系の仕事は厳しいと思います。コンビニで「袋いいです」と言うのも辛いくらいですから、二三日は休みがあった方が安全でしょう。

 術後四日目くらいに人と話す機会があり、恐る恐る喋っていたところ、「声が高くなった?」と言われました。実際は、単に恐る恐るなので声が細くなり、高く聞こえただけでしょう。

 術後一週間から十日くらいまで、声がかなり不安定でした。毎日ちょっとずつ変わります。
 これはケナコルトの効果というより、注射後の一時的な変化でしょう。
 具体的には、普段の声(女声)を出すのが多少楽になった感じがした一方、少しかすれます。裏声Maxも出にくいです。また時々声が詰まった感じで、出しにくくなることもありました。
 エッジボイスが出来ない状態になりました。エッジボイスというのは、声帯が閉じている音ですから、声帯がうまく閉じなくなっている、という事です。結果、かすれ気味で息漏れする感じの声になる、ということです。

 術後十日目くらいでやや安定してきました。
 依然として声の出しやすさにムラがあるのですが、一つには注射前から調子の良い時と悪い時があったこと(これが問題だった)、もう一つには、同じ音を出そうとした時の喉の使い方が変わったことがあるようです。後者は、前は少し力んで出していたのが、力まず出るようになった(らしい)のに、クセで力んでしまうので、かえって出にくくなる、ということのようです。
 声そのものは、ほとんど術前と変わらず、ただ普段の声がやや出しやすく、一方で高音がかすれ気味になる、という状態です。エッジボイスは再び出来るようになりました。
 やはり「高い声」と「声のかすれ」はトレードオフです。高い声はどうしてもかすれて息漏れ気味になります。

 術後一ヶ月程度で、声はすっかり安定しました。ただ、術前とほとんど変わりありません。
 厳密に検査すれば違うのかもしれませんし、ゆっくり変わったので気づかないのかもしれませんが、少なくとも実感できるほど声が高くなった、ということはありません。微妙に普段の声が出しやすくなった気もするのですが、同時にかすれ気味になる傾向も増えた気がします。
 声の調子が良い時と悪い時があるのは、術前と一緒です。
 喋っていないと、調子が悪くなります。多少悪くても声を使っていると、段々良くなってきて、この一番良い時の状態は、術前より改善したように思います。ただ、問題は「ムラ」そのものなので、その点については効果は感じられません。

 何回か打たなければ効果が得られないように思うので、しばらく続けてみようかと思っています。
 マイナスにならなければ良いか、くらいのつもりで構えた方が良さそうです。
posted by female-voice at 10:16| 女声の記録

2012年09月18日

MtFTSの整形手術 身体について

 顔に続いて、身体のことを書きます(SRSを除く)。
 前回書いた通り、あくまで個人的な経験から来る考えなので、すべての人に当てはまる訳ではないと思います。偉そうなことを書いてすいません。

 まず、誰もが思いつく豊胸。これはもちろん有効です。
 ホルモン治療だけである程度胸があるなら、無理をすることはありませんが、より女らしく見せるにはポイントになります。ただし、あまり大きなパックを入れるべきではありません。これは普通の女性にも言えることですが、最初から大きなパックを入れると余裕がなく、皮膚に悪影響があります。どうしてもやりたいなら、段階的にオペすべきです。
 加えてMtFの基本は「とにかく小さく」ですから、たとえ胸でも無理して巨乳にするとかえって不自然になります。胸だけやたら大きくても逆三角形でバランスが悪いです。

 身長については、無理なので諦めます。

 肩幅も皆さん気にしますが(わたしももちろん)、これも非常に難しいです。
 肩幅を狭くする手術はありますが、鎖骨を切って短くするものなので、肩が前に出て丸くなる形になります。猫背ぎみで、あまり綺麗な形ではありません。加えて、重要な関節なので、機能に障害が出る恐れもあります。
 それより、いかり肩を治す運動・整体くらいにとどめた方が良いと思います。姿勢で肩はかなり滑らかに見せられます。
 具体的には、肩をうしろに回すように落とし、頭を背骨の上に綺麗に乗せ、上から吊られているようなイメージを持つことです。鏡を見てやってもらえれば分かりますが、これだけでかなり滑らかな印象になります。
 肩や肋骨が固いとうまくできないので、肩を後ろに伸ばすストレッチは毎日やりましょう。
 また、肩を下に落とす方向の運動も有効です。これは一般的にも、いかり肩ぎみの人の肩こり防止に使われるものです。
 わたしは「肩幅を狭くする」と称する整体に通っていたことがあります。正直、値段ほどの効果はありませんでしたが、「狭く見せる」ためのメソッド、体操法などを学べたことは収穫でした。ただ、それだけなら高いお金を出して整体に通うほどの話ではありません。自分で研究した方が良いと思います。
 姿勢には普段から神経を使いましょう。思ったほどちゃんとした姿勢ではないものですし、しかも気をつければ結構変えられるものです。

 続いて肋骨です。これも一番下の肋骨を切って取る手術がありますが、かなり大掛かりです。
 気持ちは痛いほど分かりますが、個人的にはやりたくありませんし、人にも薦めません。
 もっと簡単な方法としては、コルセットがあります。肋骨はガチガチに固まっているわけではなく、柔らかくつながっているものですから、長い時間をかけて圧力を加えれば、多少形が変わります。
 成人後にいくら頑張っても劇的に変化する訳ではありませんが、肋骨を切るよりはマシでしょう。一般に、コルセットによる矯正は女性より男性の方が骨格が変わりやすいようです。おそらく男性の方が大きく「遊び」がある、というだけのことかと思いますが。
 わたし自身も、コルセットは使っています。KYOWA Gift&Shoppingというショップが色々な種類があって便利です。ちょっと高いですが、オシャレではなくずっと装着するものなので、丈夫なものを買った方が結局安くつきます(安物は本当にすぐ壊れます)。
 なお、装着する時は必ずキャミ等の上からにして、直接肌につけないようにしましょう。

 続いてお尻です。
 あまり気が付かない人が多いのですが、これが非常に重要です。
 ウェストが細いMtFは多いですが、あまり女性らしい形に見えない場合、骨盤が小さいからです。
 骨盤自体を大きくするのは無理なので、ヒッププロテーゼなどが良いでしょう。
 液体シリコンを注入する方法もあり、手軽ですが、日本国内では許可されていない筈です。またこの方法はリスキーで、ちょっと薦められません(死亡事故もある)。
 ヒッププロテーゼも簡単ではないですが、何かあったら除去できる点が良いです。ただ、これも国内だと扱っている病院が限られています。扱っていても、ほとんどの場合はヒップのトップをあげるものです。
 どういうことかというと、一般女性がヒッププロテーゼを入れる場合、お尻の割れ目のところから切開して、ヒップのトップにボリュームをつけるのです。
 これはもちろん、ぷりっとしたお尻になって綺麗なのですが、MtFにとって重要なのは、お尻の幅です。
 トップについては、平たい人は(日本人は特に)沢山います。沢山いるからそういう手術が主流なのです。逆に言えば、多少平たくても気にすることはない、ということです。
 一方、幅については、細い女性でも一定の幅があります。つまり(美醜ではなく)「女に見える」ということを重視した場合、トップよりも幅が大事なのです。
 ところが、この幅を出したくても、真横は股関節に当たるので、プロテーゼを入れるとそもそも機能面から問題があります。
 真横は諦めてヒップの端よりにプロテーゼを入れるとしても、通常の割れ目から切開する方法だと、距離が遠くて難があります(不可能ではない)。下から切るか、上から切るかのいずれかで、どちらにしても割れ目切開に比べて傷跡は目立ちます。下の方が傷は目立ちにくいですが、座る時に当たる部位なので、術後がしばらく大変です。また、そもそも扱っている医院が非常に少ないです。
 わたしは一度、この手術を検討したのですが、総合的に考えて諦めました。数少ない中の一人であった医師が、どうも信頼できなかった、というのもあります(需要の少ない美容医療を敢えてやっている医師には、何か理由がある可能性もあります)。
 良い医師にめぐり逢えたら是非やってみた方が良いと思いますが、自分自身が諦めたこともあって、何とも言えません。
 経験者は是非教えていただきたいです。

 なお、ヒップについては脂肪注入というやり方もありますが、お勧めはしません。わたしもやったのですが、ほとんどが吸収されて生着しないし、脂肪の少ない身体の場合、ヒップを大きくするほどの脂肪がなかなか集められません。加えて、大量に入れるとシコリ状になって残る場合があり、審美的に問題が残ります。場合によっては機能上の問題となることもあります。脂肪注入は、ごく少量をポイントで入れる場合のみ選択肢に入れるべきです(顔がやつれている場合など)。
 ヒアルロン酸なら安全ですが、お金を湯水のように使うことになるでしょう。
posted by female-voice at 07:43| 整形

2012年09月17日

MtFTSの整形手術 顔について

 声についてのネタが一段落してしまったので、せっかくブログを作ったついでに、全然関係ない、身体や顔のことを書きます。
 当然ながら、ほとんどのMtFは(FtMも)、顔・身体について気にしています。時々気にしていない人がいますが、そういう人はちょっと社会性が欠落している病的な場合がまま見られます。こんな生き方をして、顔かたちの一つも気にしなかったらちょっと変です(服装についても、他人から見て極端に「目立つ」装いをいつまでも改められない場合、GID以前に何らかの精神疾患が疑われるかもしれません)。
 以下、身体や体の整形について、個人的に思うところを書いてます。あくまで個人の経験の範囲からの考えなので、誰にでも当てはまるとは思いません。また、これらすべてをわたし自身が100%実践出来ている訳でもないですし、自分の「完成度」が高いとも思いません。

 身体の格たる部分は、もちろん生殖器ですが、SRSについては当たり前なので特に触れません。
 ただ、前に触れた通り、SRSに限って言えば、個人的にはタイの著名医師による治療をお勧めします。

 まず、大前提ですが、美醜と男女というのは別問題です。
 普通の女性でも、綺麗な人もいればそうでない人もいます。そうでない人だからといって、男と間違えられる、という場合は稀でしょう。
 「綺麗になりたい」というのは、普通の女性でもMtFでも考えることでしょうが、綺麗なら女に見えるかというと、そんなことはありません。逆に、多少ブサイクでも女に見える、という場合は大いにあります。世の中、そんな綺麗な女性ばかりではありません。
 このうち、MtFの社会生活にとって重要なのは、当然ながら「女に見える」ことです。「綺麗」ではありません。
 綺麗ならなおのこと結構ですが、それは二の次の話です。ブサイクだろうが何だろうが、女に見えないと始まりません。

 というわけで、美醜ではなく「女に見える」という意味で言えば、当然ながら、持って生まれた骨格や才能というものがあります。あまりにも素質に乏しい場合、大変失礼ですが社会生活の移行については諦めるか、決死の覚悟を持った方が良いです。
 それを言っても始まらないので、具体的なことを考えると、問題がある場合に整形等で変えられる場合と、変えられない場合があります。例えば、身長を変えるというのは、絶対不可能とは言いませんが、至難の業です。
 変えられない、あるいは変えるのに非常なリスク・コストが伴われる、という場合は、はっきり言って諦めるしかありません。せいぜい服装や立ち振舞で誤魔化すしかないでしょう。出来ないものは出来ないので、頭を切り替えて忘れましょう。

 では、できることでポイントになるのは何か。
 MtFが整形する場合の原則は、何かを「大きく」するより「小さく」することです。

 例えば顔の整形というと、一般的に人気があるのは「目」です。確かに、目と口は女性の顔のパーツの中で「大きく」して良い場所です。二重の方が可愛いですね。
 二重のオペは(埋没でも切開でも)大した手術ではないので、受けたければ受けたら良いのですが、注意しなければいけないのは、二重が派手すぎると「男女」印象としてはマイナスになる場合がある、ということです。
 一般にMtFは、普通の女性に比べて顔立ちがハッキリしています。普通の日本女性からすると良いことなのですが、ハッキリしているということは、要するに男性的ということです。二重が派手すぎると、この印象がかえって強くなります。
 二重は良いことなのですが、オペを受けるなら控えめ二重くらいで我慢しておいた方が安全です。

 逆に「小さく」するオペについては、優先的に検討して良いと思います。
 特に鼻が大きいと男性的印象が強いですので、鷲鼻形成や鼻尖縮小などが有効です。
 そこまで鼻が大きくなくて、かつ「彫りの深さ」を柔らかく見せたい場合、鼻の付け根両脇あたりにヒアルロン酸などのフィラー(充填剤)を入れる方法もあります。フィラーは何でも全体として見れば「大きく」しているので、慎重になる必要がありますが、ここにヒアロなどを入れると鼻の凹凸を柔らかく見せることができます。

 おでこについても、男性は眉の部分が出っ張っています(わたしもそうです)。これが極端な場合、削った方が良いのですが、これは結構負担のかかる手術です。それほどでもない場合、おでこにフィラー(充填剤)を入れて丸く見せる、という方法があります。
 フィラーについてはヒアルロン酸が一般的ですが、これは恒久的なものではありません。ハイドロキシアパタイトについても、多少マシですが同様です。
 一方、液状シリコンを入れる、という方法がありますが、これは危険が伴い、日本国内では原則許可されていない筈です。個人的にもお勧めしません。
 また、固形シリコンのプレートを入れる、という方法もあります。液状シリコンよりはこちらの方がずっと良いです。ただし、これもなかなか大掛かりな手術です。
 おでこの凹みが極端ではない場合、お金はかかりますが定期的にヒアルロン酸を入れるくらいで我慢した方が安全です。この場合、Sub-Qなどの固めのヒアルロン酸だと持ちが良いです。場所がおでこですので、柔らかさや自然さについては、後回しについても結構大丈夫です(一般に固いヒアルロン酸はもちが良く、柔らかいヒアルロン酸は自然だが吸収が早い)。

 次に顎ですが、これも骨格が立派すぎる場合は、削った方が良いでしょう。女性でもエラ形成を受ける人はいます。
 そこまでではない場合、エラボトックスも有効です。これはエラの筋肉を萎縮させるもので、最初は定期的に打っていきますが、ある程度回数を重ねると、間隔を開けていっても大丈夫になってきます。つまりエラの筋肉がすっかり弱ってくれる、ということです。
 ただし打ちすぎると顔がたるむので、要注意です。この場合、フェイスリフトなどと併用すると「小顔」にできますが、これもそれなりのコストと労力を覚悟しないといけません。骨を削るのにくらべたらまだ楽なので、予算があるならやってみても良いと思いますが、その場合、必ずSMAS筋膜を持ち上げる術式にすべきです。表面だけ上げるフェイスリフトは、時間が経つとすぐ元に戻ります。

 頬骨についても削った方がベターでしょうが、わたし個人が検討したことがないので、詳しい情報を知りません。

 以上の中で、わたしがやったのは目、鼻、おでこのヒアルロン酸、エラボトックスです。目については、コンタクトの影響で眼瞼下垂があったので、この手術を受けました。
 この他に、スキンケア的治療、アンチエイジング的治療は受けていますが、これらは「美醜」の方の話で、「男女」の問題ではありません。優先順位としては後回しで良いと思います。多少オバサンでもブサイクでも、女に見えることが大事です。ブサイクなオバサンでも立派に女ですし、道を歩いて石を投げられることはありません。
 「小さく」する手術は骨に関するものが多く、一般に骨に触る手術は術後がそれなりに大変です。なかなか辛いところですが、優先順位を付けて考えて下さい。
posted by female-voice at 11:54| 整形

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