2012年09月11日

一色クリニック・京都ボイスセンターでのボイトレ

 さて、一色クリニックでの診察を終え、周波数的には女性の範囲内で、それほど問題がないことが分かりました。
 でも、依然として十分満足できる、というレベルではありません。
 絶対的な声の高さも高いに越したことはないのですが、やはり共鳴腔の使い方がポイントなのでしょう。
 よくあるパターンですが、調子の良い時の声は及第点に達していても、うっかりすると低い声や女性らしくない声が出てしまう、というのが問題です。
 これは本当によくある事例で、MtFの場合、声ができていても低い方の「底」がないんですよね。普通の女性なら「底」があって、それより下には行かないのですが、MtFだと、何かの拍子で「底が抜けて」しまうことがあります。
 また、前にも書きましたが、笑い声や悲鳴などは難しいです。
 それから、身近な人に聞くと、わたしの場合、何かを夢中になって喋っている時に声が低くなることがあるようです。熱中しすぎて声のトーンにまで気が回らない、ということでしょうか。現在では日常生活中にそれほど声自体のことを意識している訳ではないのですが、それでも普段は気をつけている、ということなのでしょう。

 これらを改善するには、輪状甲状軟骨接近術よりもボイトレが大事なのだろう、と思ったところで、たまたま一色クリニック・京都ボイスセンターのボイトレの先生に空き時間があったので、ボイトレを受けてみることにしました。
 前にも書きましたが、わたしはSRS前(喉仏の手術を受ける前)にほんの一二回程度女声ボイトレを受けたことがありますが、ほとんど経験がありません。また、一色クリニックで教えられているのは、別に女声に特化したボイトレではありません。
 でも、ものは試しで受けてみたところ、これが非常に面白かったです。
 ボイトレですから、すぐに効果が出るというものではないのですが、とりあえず色んな声を出すことが楽しかったのです。まずは母音を綺麗に出せることが大事、息が漏れないように、力まず力を抜いて発声する、などのポイントを教えられました。また、リップロール(唇でプルプルという音を出す)が力みを取るのに有効、とのことです。
 このボイトレが面白かったので、続けたいと思ったのですが、何分場所が京都で、当方は東京近郊在住です。
 流石に京都まで通う訳にもいかないので、一回だけで帰ってきました。
 ちなみにこのボイトレの先生は轟先生という女性の方です。人間的にも魅力的な方なので、京都近郊にお住まいの方は、一度相談されても良いかもしれません。
タグ:ボイトレ
posted by female-voice at 07:10| 女声の記録

2012年09月10日

輪状甲状軟骨接近術(甲状軟骨形成4型)

 一色信彦先生のところで診察を受けたことを書きましたが、MtFTSにとっての一色先生と言えば輪状甲状軟骨接近術(甲状軟骨形成4型)です。
 輪状甲状軟骨接近術は、現在では一色先生のところだけでなく、結構色々な病院で行われています。これについては一色クリニックのページにも解説がありますが、声帯を直接触るのではなく、その周りにある輪状軟骨と甲状軟骨を締めて声を高くする、というものです。
 診察を受けるまでは、必要であればこの手術を受けることも考えよう、と思っていましたが、それでも可能であれば避けたい選択肢でした。
 というのも、確かに輪状甲状軟骨接近術は画期的な方法ですが、リスクや問題も色々あるからです。
 まず費用ですが、一色先生のところだと手術代のみで40万円、その他入院費、個室代等で総額70〜80万円くらいになります(値段だけならもっと安いところもあります)。
 お金のことはまぁいいのですが、術後一週間は完全沈黙、普通に声が出せるようになるのは一ヶ月後。ただこの時点では不自然な場合が多く、最終的に安定するには二年くらいかかる場合もあるようです。
 更に当事者の話を聞くと、「手術しても変わらなかった」「音域が狭くなり声が出しにくくなった」というケースもあります。これは手術を誰がどういう風にするかにもより、輪状甲状軟骨接近術そのものの問題とは限りませんが、結果として上手くいっていないケースをまま聞きます。
 特にボイトレなどである程度のレベルに達していた人の場合、「失敗」することが多いようです(この場合の「失敗」とは、狭い意味での手術の失敗ではなく、患者自身が十分に満足しない、ということです)。

 これだけ苦労してそんなに「失敗」するのでは、ちょっと割にあいません。特にわたしの場合、自己流などで社会生活上なんとかやっていけるレベルだったので、デメリットの方が大きい、と感じていました。
 診察を受けるまではまだ迷っていたのですが、検査の結果、周波数自体は236Hzと悪くありませんでした。わたしの場合、この時点で選択肢から消えました。

 輪状甲状軟骨接近術が適しているのは、MtFTS当事者でまったく男声のままの人でしょう。
 その場合でも、まずはどんなメソッドでもいいので、ボイトレで改善する方法を試すべきです。前にも書きましたが、わたしの場合、環境が大きく変わったことで数ヶ月で劇的に声が変わりました。そうでない場合でも、トレーニングでかなり改善できる場合が多いと思います。
 さんざんやってみて駄目だった、あるいは何らかの事情でどうしてもボイトレはやりたくない、という場合のみ、輪状甲状軟骨接近術を受けると良いかと思います。まったく男声のままの人の場合、最終的にそれなりに上手くいくことが多いようです。
posted by female-voice at 09:11| 女声の記録

2012年09月09日

一色信彦先生の診察を受ける

 京都の一色信彦先生は、声の治療に関心のある人なら知らない人はいない、世界的な権威です。
 けいれん性発生障害の治療などでも知られており、MtFTSにとっては声を高くする輪状甲状軟骨接近術(一色の甲状軟骨形成4型)で有名でしょう。
 一般向けの本も出されていらっしゃるので、興味のある方は読んでみると良いかもしれません。わたしも拝読しましたが、丁寧に分かりやすく発声の仕組み、治療法などを説明されていて、素人でも楽に読めます。
 前回書いたように、この一色先生に相談したところ、「喉仏を削る手術は声の高さと関係ある」と言われ、なにはともあれ診察を受けに伺うことになりました。

 声のことを多少なりとも気にしながら、正式に調べて貰うのは初めてでした。今思うと、なぜもっと早くにちゃんとした検査を受けなかったのか、不思議です。
 鼻から内視鏡を入れたり、色々な機械を使った検査を受け、ネット上でもよく見かける「藪の中からうさぎがピョコンと出てきました」という例文を読みました(この文が可愛くて大好きです)。
 結果、普通の話し声の周波数は236Hzと、女性として正常な範囲でした。通常の話し声で、男性だと100 - 150Hzくらい、女性は210 - 280Hzくらいです。女性としてはやや低いですが、男性の声には聞こえない高さのようです。
 音域が狭くなったと感じていましたが、Maxの低音・高音で比べると、通常より広いくらいでした。ただ、高音Maxは通常の女性ほどは出ません。
 レシオという、吐く息のうちどれくらいを声として活用できているか、という値がありますが、これがやや低めでした。つまり「息漏れ」しているということです。MtFがメラニー法などで女声を獲得した場合、半ファルセットのような声を使っているので、裏声的な成分が混ざっています。裏声というのは声帯が開いた時の声ですから、どうしても普通よりは息が漏れているのでしょう。そのため、一般よりやや聞き取りにくく通らない声の場合が多いです。
 この「声が通らない」というのも気になっていたのですが、後に知ったところでは、やはりこれはある程度どうしようもないようです。もちろん、声の作り方にもよるので、才能に富んだ人なら高くて自然で通る声も出せるのですが、ある程度限界があります。

 というわけで、数字的には割と正常で、輪状甲状軟骨接近術(甲状軟骨形成4型)の適応には当たりませんでした。
 では何が問題なのか、というと、男性と女声では単に高さだけでなく、共鳴腔の使い方が違います。声の響きのような部分です。ここをもうちょっと工夫する余地があるのではないか、と言われました。また、レシオを改善する、という意味では、発声をもう少し練習しても良いようです。
posted by female-voice at 00:02| 女声の記録

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