2012年09月10日

輪状甲状軟骨接近術(甲状軟骨形成4型)

 一色信彦先生のところで診察を受けたことを書きましたが、MtFTSにとっての一色先生と言えば輪状甲状軟骨接近術(甲状軟骨形成4型)です。
 輪状甲状軟骨接近術は、現在では一色先生のところだけでなく、結構色々な病院で行われています。これについては一色クリニックのページにも解説がありますが、声帯を直接触るのではなく、その周りにある輪状軟骨と甲状軟骨を締めて声を高くする、というものです。
 診察を受けるまでは、必要であればこの手術を受けることも考えよう、と思っていましたが、それでも可能であれば避けたい選択肢でした。
 というのも、確かに輪状甲状軟骨接近術は画期的な方法ですが、リスクや問題も色々あるからです。
 まず費用ですが、一色先生のところだと手術代のみで40万円、その他入院費、個室代等で総額70〜80万円くらいになります(値段だけならもっと安いところもあります)。
 お金のことはまぁいいのですが、術後一週間は完全沈黙、普通に声が出せるようになるのは一ヶ月後。ただこの時点では不自然な場合が多く、最終的に安定するには二年くらいかかる場合もあるようです。
 更に当事者の話を聞くと、「手術しても変わらなかった」「音域が狭くなり声が出しにくくなった」というケースもあります。これは手術を誰がどういう風にするかにもより、輪状甲状軟骨接近術そのものの問題とは限りませんが、結果として上手くいっていないケースをまま聞きます。
 特にボイトレなどである程度のレベルに達していた人の場合、「失敗」することが多いようです(この場合の「失敗」とは、狭い意味での手術の失敗ではなく、患者自身が十分に満足しない、ということです)。

 これだけ苦労してそんなに「失敗」するのでは、ちょっと割にあいません。特にわたしの場合、自己流などで社会生活上なんとかやっていけるレベルだったので、デメリットの方が大きい、と感じていました。
 診察を受けるまではまだ迷っていたのですが、検査の結果、周波数自体は236Hzと悪くありませんでした。わたしの場合、この時点で選択肢から消えました。

 輪状甲状軟骨接近術が適しているのは、MtFTS当事者でまったく男声のままの人でしょう。
 その場合でも、まずはどんなメソッドでもいいので、ボイトレで改善する方法を試すべきです。前にも書きましたが、わたしの場合、環境が大きく変わったことで数ヶ月で劇的に声が変わりました。そうでない場合でも、トレーニングでかなり改善できる場合が多いと思います。
 さんざんやってみて駄目だった、あるいは何らかの事情でどうしてもボイトレはやりたくない、という場合のみ、輪状甲状軟骨接近術を受けると良いかと思います。まったく男声のままの人の場合、最終的にそれなりに上手くいくことが多いようです。
posted by female-voice at 09:11| 女声の記録

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 性同一性障害(MtF・MtX)へ
にほんブログ村