2012年09月09日

一色信彦先生の診察を受ける

 京都の一色信彦先生は、声の治療に関心のある人なら知らない人はいない、世界的な権威です。
 けいれん性発生障害の治療などでも知られており、MtFTSにとっては声を高くする輪状甲状軟骨接近術(一色の甲状軟骨形成4型)で有名でしょう。
 一般向けの本も出されていらっしゃるので、興味のある方は読んでみると良いかもしれません。わたしも拝読しましたが、丁寧に分かりやすく発声の仕組み、治療法などを説明されていて、素人でも楽に読めます。
 前回書いたように、この一色先生に相談したところ、「喉仏を削る手術は声の高さと関係ある」と言われ、なにはともあれ診察を受けに伺うことになりました。

 声のことを多少なりとも気にしながら、正式に調べて貰うのは初めてでした。今思うと、なぜもっと早くにちゃんとした検査を受けなかったのか、不思議です。
 鼻から内視鏡を入れたり、色々な機械を使った検査を受け、ネット上でもよく見かける「藪の中からうさぎがピョコンと出てきました」という例文を読みました(この文が可愛くて大好きです)。
 結果、普通の話し声の周波数は236Hzと、女性として正常な範囲でした。通常の話し声で、男性だと100 - 150Hzくらい、女性は210 - 280Hzくらいです。女性としてはやや低いですが、男性の声には聞こえない高さのようです。
 音域が狭くなったと感じていましたが、Maxの低音・高音で比べると、通常より広いくらいでした。ただ、高音Maxは通常の女性ほどは出ません。
 レシオという、吐く息のうちどれくらいを声として活用できているか、という値がありますが、これがやや低めでした。つまり「息漏れ」しているということです。MtFがメラニー法などで女声を獲得した場合、半ファルセットのような声を使っているので、裏声的な成分が混ざっています。裏声というのは声帯が開いた時の声ですから、どうしても普通よりは息が漏れているのでしょう。そのため、一般よりやや聞き取りにくく通らない声の場合が多いです。
 この「声が通らない」というのも気になっていたのですが、後に知ったところでは、やはりこれはある程度どうしようもないようです。もちろん、声の作り方にもよるので、才能に富んだ人なら高くて自然で通る声も出せるのですが、ある程度限界があります。

 というわけで、数字的には割と正常で、輪状甲状軟骨接近術(甲状軟骨形成4型)の適応には当たりませんでした。
 では何が問題なのか、というと、男性と女声では単に高さだけでなく、共鳴腔の使い方が違います。声の響きのような部分です。ここをもうちょっと工夫する余地があるのではないか、と言われました。また、レシオを改善する、という意味では、発声をもう少し練習しても良いようです。
posted by female-voice at 00:02| 女声の記録

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